
アメリカの政治では、大統領の利益相反や公私の線引きを巡る議論がたびたび注目を集めています。とりわけ暗号資産事業や海外企業との関係を巡っては、トランプ大統領とその家族の利益が政権運営に影響を及ぼしているのではないかとの批判が国内外で広がっています。本稿では、今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、こうした指摘の内容を整理するとともに、大統領の利益相反や政治倫理の観点から問題点を考察します。
アメリカ史上類を見ない“儲け主義”に走る大統領:その名は?
ぶっちゃけ、欧米のメディアはトランプ大統領による10億ドル規模の不正利得に関して厳しい論調を展開中で、「トランプ命!」の高市首相や日本のメディアと大違いです。
トランプ氏とその家族が、連邦政府の暗号資産(仮想通貨)規制を自ら書き換えつつ、同時に暗号資産で10億ドルもの収益を公表したことは、決して偶然ではありません。
これは、大統領という地位が、国と国民から可能な限り多くの富を収奪するための、個人的な略奪の手段と化してしまったことを証明する「決定的証拠」なのです。
残念ながら、大統領執務室を家族経営の詐欺的ビジネスの拠点に変えてしまったと言わざるを得ません。
トランプ一家は、2025年の大統領就任式の数日前にミームコインを立ち上げ、「CIC Digital LLC」や「Fight Fight Fight LLC」といったペーパーカンパニーを通じて供給量の80%を支配し、3億5000万ドルの手数料を吸い上げたのですが、個人投資家は資産の85%から99%を失う結果となりました。
在任中に自らが主導する政策決定でこれほど莫大な利益を得た大統領はいません。
トランプ氏は権力を掌握する直前に「$TRUMP」ミームコインを立ち上げ、その後、家族の保有資産に直接利益をもたらす暗号資産の規制緩和を推進しました。
トランプ氏のステーブルコイン戦略は、中央集権的な政府にとって都合の良い「デジタル・ドル」を流通させることを目指しています。
これは、何百万人もの一般投資家が損失を被る一方で、政府の仕組みを利用して自分自身や家族を富ませているもので、まさに腐敗としか言いようがありません。
実は、利益相反の問題は、暗号資産だけに止まらないのです。
アブダビがバイナンスを経由して20億ドルを動かし、その利益がトランプ氏に関連する事業体へと還流していた事実も明らかになりました。
これは、世界で最も強大な権力を持つ地位へのアクセス権を「オイルマネー」で購入するという、典型的な外国からの影響力行使のパターンです。
トランプ一家が関与する鉱山事業でさえ、重大な懸念を抱かせるもので、報道によれば、トランプ氏の息子たちは、連邦政府による資金提供を示唆しつつ政権が推進していたカザフスタンの鉱山プロジェクトに出資したとのこと。
トランプ一家が関心を寄せているのは、まさに中央集権的な権力を利用して一族を富ませることなのです。
外国政府や億万長者の同盟者たちがアクセス権や影響力を買い取る一方で、その代償を支払わされているのはアメリカ国民という構図に他なりません。
ぶっちゃけ、今週、建国250年を祝うアメリカですが、ホワイトハウスを「富を略奪するための装置」とみなすトランプ氏のような人物をホワイトハウスから追い出さなければ、アメリカの未来はないでしょう。
この記事の著者・浜田和幸さんのメルマガ
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