幻覚剤シロシビン1回でうつ病が改善、だが1年後に「意外な結末」が

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見た目の同じカプセルで、効き目を比べる

色とりどりのカプセルや錠剤を手のひらにのせたイメージ写真で、試験で使われた薬ではありません。試験では、どちらを飲んだかを、参加者にも症状を評価する医師にも伏せました。色とりどりのカプセルや錠剤を手のひらにのせたイメージ写真で、試験で使われた薬ではありません。試験では、どちらを飲んだかを、参加者にも症状を評価する医師にも伏せました。Credit: Photo by Polina Tankilevitch on Pexels(Pexels のライセンス)

うつ病でよく使われる薬(SSRI)では、最初に使う薬で症状がほぼ消えるところまで届かない人が、約67%いると報告されています。

しかも再発の危険を減らすために何年も飲み続けることが多く、副作用で続けにくい場合もあります。

シロシビンについては、1回の服用で数週間以上効くとする研究がある一方、適切な比べる相手を欠く、うつ病の自然な経過と効き目を切り分けきれないなど、設計に課題を抱えた試験も多くありました。

牧草地で見つかったミナミシビレタケです(メキシコ・ハリスコ州)。今回の試験では、シロシビン組の参加者が、シロシビン25mgを入れたカプセルを1回だけ飲みました。牧草地で見つかったミナミシビレタケです(メキシコ・ハリスコ州)。今回の試験では、シロシビン組の参加者が、シロシビン25mgを入れたカプセルを1回だけ飲みました。Credit: Alan Rockefeller / iNaturalist(CC BY 4.0)

また作用が強いため、本物を飲んだかどうかが本人に分かりやすいという弱点もあります。

そこでカロリンスカ研究所のハンプス・イングヴェ氏らは、ストックホルム北部の精神科クリニックで試験を行いました。

参加したのは、うつ病を繰り返し、いま中等度から重度の落ち込みの中にいる大人35人です。

平均年齢は41歳で、全員が幻覚剤を使った経験がなく、開始時に抗うつ薬も心理療法も受けていませんでした。

参加者は2組に分けられ、シロシビン25mgか、ナイアシン100mgを、見た目の同じカプセルで1回だけ飲みました。

参加者を2つの組に分け、中身だけが違うカプセルを1回飲んでもらって比べた試験の流れを示した図です。ナイアシンは体のほてりを起こす「作用のある偽薬」で、どちらの組も同じ回数の心理的なサポートを受けました。参加者を2つの組に分け、中身だけが違うカプセルを1回飲んでもらって比べた試験の流れを示した図です。ナイアシンは体のほてりを起こす「作用のある偽薬」で、どちらの組も同じ回数の心理的なサポートを受けました。Credit: ナゾロジー編集部(編集部が作成した図、論文の図1(Yngwe et al., JAMA Network Open (2026)、CC BY 4.0)をもとに作成)

ナイアシンはビタミンB3の一種で、顔のほてりなど体の感覚を起こします。

これは、どちらを飲んだのか分かりにくくするための「作用のある偽薬」です。

どちらを飲んだかは、参加者にも、症状を評価する医師にも伏せられました。

服用の日、参加者は横になって内面に意識を向けるよう勧められ、アイマスクや音楽も用意されたうえで、服用後7時間、心理士に見守られました。

どちらの組も、服用の前日からの17日間に、準備・服用・振り返りの計5回、心理的なサポートを受けています。

症状は、医師の聞き取りによる点数と、本人が答える質問票の点数で、1年後まで追いかけています。

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