(CNN) 25日のブラジル大統領選で敗れたフラビオ・ボルソナーロ上院議員は3日後、米フロリダ州マイアミに到着した。ブラジル国内で法的問題に直面し、米国へ逃れた他のボルソナーロ派の有力者に加わった形だ。
報道によると、大統領選に敗れたフラビオ氏は27日、妻と娘2人を連れてアルゼンチンに入国。その後はプライベート機に乗り、エクアドル経由でフロリダ州南部に到着した。フラビオ氏が出国したのは、最高裁が選挙翌日にパスポート提出を命じ、出国を禁じた後だった。最高裁の判事は長年にわたってボルソナーロ家と法廷で対立してきた人物で、国外逃亡の「具体的なリスク」を理由に出国禁止命令を出した。
これに先立つ23日、弟のエドゥアルド・ボルソナーロ氏は米国の保守派のポッドキャストで、現職ルラ大統領に敗れた場合、フラビオ氏はブラジルを離れるべきだとの考えを示していた。上院議員の任期終了後に捜査を受ける可能性を懸念しての発言だった。
フラビオ氏は26日に投稿した動画で弟の発言に言及し、政治的迫害を訴えつつも、最高裁の命令には従うと約束していた。フラビオ氏の上院議員の任期は来年1月31日までで、選挙で選ばれる公職から24年ぶりに離れることになる。
フラビオ氏は現在、汚職やマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いでブラジル最高裁から捜査を受けている。
フラビオ氏は28日、米国到着後に3ページの声明を発表。25日の決選投票でルラ氏に敗れたにもかかわらず「ブラジルの指導者」を自称した。選挙で不正があったとの裏付けのない主張を繰り返し、出国するつもりはなかったとしつつ、米国から野党勢力を率いていく考えを表明した。
「はっきりさせておきたい。私はブラジルから逃げたのではなく、ブラジルのために出国した」。フラビオ氏はそう記すと、自身は政治的迫害の被害者だと訴え、出国を支援したトランプ米大統領とアルゼンチンのミレイ大統領に謝意を示した。
国外に広がる政治活動の拠点
米国にはブラジル国内で法的問題に直面し、活動の拠点を移したボルソナーロ派の有力者が増えている。フラビオ氏もそこに加わった形だ。
弟で元下院議員のエドゥアルド氏は2025年初め、政治迫害の標的にされていると主張して米国へ移住。この年の7月に永住権を取得した。ブラジル最高裁はその後、米政府当局者に働きかけて父親のクーデター事件を担当する判事に圧力をかけるよう求めたとして、エドゥアルド氏に強要の罪で禁錮4年2カ月を言い渡した。
元情報機関トップで元下院議員のアレシャンドリ・ラマジェン氏も25年9月、ガイアナ経由でブラジルから出国した。最高裁では当時、22年大統領選の結果を覆そうとした計画への関与をめぐる裁判が続いており、米国へ到着したのは有罪判決が下された当日だった。米移民当局は今年4月、フロリダ州でラマジェン氏を拘束したものの、2日後に釈放。支持者によると、ラマジェン氏は亡命申請しているという。
保守系論客のアラン・ドスサントス氏とパウロ・フィゲイレド氏も、ブラジル国内で法的な争いを抱える一方、米国で活動の足場を築いている。
事情は異なるものの、こうしたケースを総合すると、米国がボルソナーロ派にとって単なる避難先以上の場所になっている現状が浮かび上がる。米国には思想を同じくする仲間がいて、影響力の大きな保守派とのつながりや、ブラジル人支持者のネットワークもある。一大政治拠点でもあるのだ。
米国における「ボルソナーロ主義」を研究するリオグランデドスル・カトリック大学(PUCRS)の政治学者、テレザ・クリスチナ・マルケス氏は「亡命はもはや孤立ではない」「SNSやメディアを通じ、国家を超えて国際的に影響力を広げるための戦略になっている」と解説する。

8 時間前
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