「認知的硬直性」をもつ人の特徴とは?
長いあいだ、心理学では「人は状況に強く左右される」と考えられてきました。
強い圧力がかかる環境に置かれれば、普通の人でも権威に従い、多数派に同調し、ときには残酷な行動さえ取ってしまうという見方です。
この考え方には重要な意味があります。
人間は、自分が思っているほど独立した存在ではなく、周囲の空気、集団の同調圧力、権力者の指示、社会不安などによって行動を変えてしまうことがあるからです。
実際、過激化について語るときにも、貧困、孤立、不安、ネット上の閉じたコミュニティ、社会的な不満といった「状況」がよく取り上げられます。
もちろん、これらの要因は無視できません。
しかし、同じ状況に置かれたすべての人が、同じように過激な思想へ進むわけではありません。
ある人は強い圧力の中で流されますが、別の人は踏みとどまります。
ある人は権力者の言葉を疑わずに受け入れますが、別の人は「本当にそうなのか」と距離を取ります。
この違いを考えると、過激思想や権威主義を「状況のせい」だけで説明するのは不十分です。
重要なのは、外側の環境に加えて、人の内側にある思考スタイルです。
特に注目されているのが「認知的硬直性」です。
これは、
・新しい情報が出てきても考えを変えにくい
・自分とは違う意見を受け入れない、
・今までのルールが通用しなくなっても同じやり方を続けてしまう
・曖昧さや不確実性を嫌う
といった傾向を指します。
過激主義や権威主義に流されやすい人は、必ずしも知識が足りない人ではありません。
むしろ問題は、情報の量ではなく、情報の受け止め方にある可能性があります。
自分の信じる枠組みに合うものだけを受け入れ、合わないものを拒絶する思考が強いほど、硬い思想に引き寄せられやすくなるのです。






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