「放棄された」はずの休眠BTCが移動、47兆円所有権訴訟の前提に疑問符

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この記事の要点

  • Galaxy Researchが13年休眠BTC約53億円の初送金を報告
  • 送金元は約380万BTC・47兆円の所有権訴訟の対象に

13年眠ったBTCが初送金、53億円が移動

調査会社Galaxy Research(ギャラクシー・リサーチ)は2026年10月19日、13年以上にわたって送金履歴がなかったビットコイン(BTC)アドレスから、411.45BTC(3,344万ドル/53億円相当)が移動したと報告しました。

同社によると、このアドレスは2013年9月11日に初めてBTCを受け取って以降、約13年間にわたり保有するBTCを一度も送金しておらず、今回初めて資金が動いたといいます。

長期間保有されていた411.45BTCは所有者が特定されていない新たなアドレスへ移されましたが、送金先の識別情報は「Unknown」とされており、売却を伴う取引かどうかは明らかになっていません。

このBTCについてGalaxy Researchは、平均取得単価が約127ドルだったと分析しており、約13年間の価格上昇によって利益率が6万4,059%に達したと推計しています。

このアドレスは2013年9月11日に初めてビットコインを受け取って以来、一度も送金していませんでした。約13.1年を経て、ブロック高972,036で411.45 BTC(約3,344万ドル)が送金されました。

アドレス:13Coop8xFbYj9JR9WyF5EqzGa9GiZmxs7C

(後略)

動いたBTC、巨額所有権訴訟の渦中に

休眠アドレス3万9069件が訴訟の標的に

今回の送金元は、米ニューヨーク州で提起された約380万BTCの所有権を巡る訴訟の対象にも含まれていました。

Galaxy Researchは送金元アドレス「13Coop8xFbYj9JR9WyF5EqzGa9GiZmxs7C」に「Noah Doe #970 · Salomon Client Dusted」という識別タグを付けており、同社の調査では、計3万9,069件の休眠アドレスが訴訟対象として挙げられています。

訴えを起こしたのは匿名の原告「Noah Doe」とワイオミング州の有限責任会社「ABC Company」「XYZ Company」で、ニューヨーク州動産法第7-B条を根拠に、対象アドレスのBTCを放棄財産として取得する権利を主張しています。

対象資産は約379万9,629BTCにのぼり、Galaxy Researchは2026年5月25日時点の市場価格で約2,935億ドル(約47兆円)に相当すると集計しました。

訴訟対象、2025年のダスティングと重複

Galaxy Researchは、この所有権訴訟と2025年に「Salomon Brothers」の顧客を名乗る人物が実施した大規模なダスティング(微少額送金)との関連も指摘しています。

同社が2025年10月に公表した調査レポートによると、同年6月から8月にかけて3万9,423件の休眠アドレスに少額のBTCが送られ、取引のOP_RETURN領域には所有権に関する法的通知が記録されました。

通知には、対象資産を「放棄された財産」とみなし、送信者側の顧客が「建設的占有」を取得したとの主張に加え、従来の所有者に一定期間内の権利証明を求める内容が含まれていたといいます。

その後の調査では、訴訟対象3万9,069件のうち3万9,068件が前年のダスティング対象と重複しており、同社は法的通知と所有権訴訟が実質的に同じアドレス群を対象としていたと分析しました。

原告側「秘密鍵を持たない」と反論

一連の所有権主張について、Galaxy Researchは原告側が対象アドレスの秘密鍵を保有しておらず、裁判所が所有権を認めた場合でもBTCを直接移動させることはできないと指摘しています。

原告側は各アドレスの現状価値を10ドル未満とする鑑定を根拠に州法上の短期取得規定の適用を求めていますが、Galaxy Researchは対象アドレスの平均保有額が97.25BTC(分析時点で約750万ドル)に達すると報告し、その資産評価に疑問を呈しました。

対象アドレスの選定についても、同社の調査レポートでは、マウントゴックス(Mt.Gox)のハッキング被害に関連する約7万9,957BTCや、サトシ・ナカモトの初期採掘に関連するとされる「Patoshi」パターンの約2万1,923アドレス(約109万6,134BTC)、送金不能な「Counterparty」のバーンアドレスまで訴訟対象に含まれていると報告しています。

こうした所有権を巡る訴訟では、被告の「John Doe 33」が2026年7月に却下を求める申し立てを提出し、ビットコインアドレスは単なるデータ文字列であり、裁判所の管轄に服する法的主体ではないと主張しました。

休眠BTCの移動相次ぎ、訴訟の前提揺らぐ

訴訟対象のアドレスからは実際にBTCの移動が相次いでおり、Galaxy Researchのリサーチ責任者アレックス・ソーン氏は2026年6月、提訴後に52件のアドレスから合計3万4,335 BTCが移動したと報告し、これらの資産は放棄されていないとの見解を示しました。

法廷でも原告側の主張に異議が唱えられており、ビットコイン政策研究所(BPI)は同年7月に被告としての参加を申請し、長期間の休眠だけでBTCを放棄財産とみなす考えに反論しています。

その後も休眠BTCの送金は続き、8月16日から26日にかけて6件のウォレットから合計553.59 BTC(移動時点で約4,015万ドル)が移動したと報じられ、そのうち2件がNoah Doe訴訟の対象アドレスに該当すると伝えられました。

10月18日の411.45BTCの送金も、訴訟対象のアドレスが長期間の休眠後に動いた事例となり、所有者による権利放棄を巡る原告側の主張に対し、実際の取引記録がどこまで法的な反証として認められるかが問われています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.55 円)

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Source:Galaxy Research X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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