
この記事の要点
- Ripple名誉CTO、XRPL対策案への批判に「国家攻撃は資金贈与」と反論
- 先回り取引を防ぐ予約制度を提案し、攻撃コストの引き上げを主張
国家の攻撃は「巨額の資金贈与」シュワルツ氏が反論
米Ripple(リップル)の名誉CTOであるデビッド・シュワルツ氏は2026年6月30日、XRPレジャー(XRPL)のフロントランニング(取引の先回り)対策案に向けられた批判に反論しました。
シュワルツ氏は、確定前の取引への先回りを防ぐ対策案をX(旧Twitter)に投稿しており、この投稿には資金力を持つ国家による攻撃までは防げないのではないかとの指摘が寄せられています。
これに対して同氏は「攻撃のコストを引き上げれば、攻撃は止まるか、実質的に国家主体からXRP保有者への巨額の資金贈与になる」と述べました。
I think that's fine. If that happens, we can just raise the cost of the attack and it would either stop or be, in effect, a huge financial gift from state actors to XRP holders.
One simple change to my proposal if you're concerned about this. Make the fee escalation…
— David 'JoelKatz' Schwartz (@JoelKatz) June 29, 2026
その場合は、攻撃コストを引き上げるだけで対処できると考えている。
結果として攻撃は収束するか、あるいは実質的に国家主体からXRP保有者への大きな資金移転になるだろう。(後略)
提案が採用された場合、XRPL上で決済やオファー約定(注文の付け合わせ)を行う利用者は、取引内容を察知した第三者に先回りされるリスクを抑えられる見通しです。
XRPLの対国家攻撃耐性
手数料2倍で枠を予約、フロントランニング対策案
先回り取引やサンドイッチ攻撃が課題に
仮想通貨(暗号資産)取引では、確定前の取引情報を把握した第三者が自らの注文を先に成立させ、価格変動による利益を得るフロントランニングが課題とされています。
標的の取引を買い注文と売り注文で挟み込むサンドイッチ攻撃も代表的な手法として知られており、シュワルツ氏はXRPLの決済やオファー約定についても同様の懸念が指摘されていることを受け、この問題を防ぐための予約制度を提案しました。
同氏は懸念そのものを深刻視しているわけではないとしたうえで、攻撃を成立しにくくする仕組みが有効との認識を示しました。
予約した取引を最優先で処理する仕組み
提案では、予約対象となる取引IDの一覧を保持する新たなレジャーオブジェクト(台帳上のデータ)「ReservedTxns」と、予約専用の取引タイプ「TxnReserve」を導入するとしています。
利用者は通常の2倍以上の取引手数料を支払うことで、最大16レジャー先までの実行枠を確保でき、各レジャーで予約できる件数は当初32件までに制限されます。
予約した取引の本体は直前のレジャーの合意形成がほぼ完了した後に公開されるため、攻撃者が取引内容を見て競合する注文を差し込む余地は狭まるとしています。
対象レジャーが執行される際には予約済みの取引が最優先で処理され、その後は重複実行を防ぐため一覧から削除される流れが想定されています。
DoS攻撃を防ぐ動的な料金モデルを提案
一方、この仕組みでは攻撃者が複数の将来レジャーの予約枠を買い占め、一般利用者が保護機能を利用できなくなるDoS(サービス妨害)攻撃も想定されています。
シュワルツ氏は、空き枠が減るほど予約手数料が自動的に上昇する動的な料金モデルを提案するとともに、需要が増えた場合には予約枠を32件から64件へ拡張できる案も示しました。
同氏が示した例では、32件のうち16件が埋まった時点で手数料の引き上げが始まり、30件まで埋まると基本料金の3倍に達するとしています。
そのうえで別の投稿で、仮に国家が資金を投じて予約枠を占有し続けたとしても、得られるのはXRPLの防御水準を現状にとどめる効果に限られるとの見方を示しました。
同氏は「XRP保有者へ毎時数千ドルを贈与したがると心配するのは、非常に奇妙に思える」とも述べており、国家主体による攻撃シナリオそのものに疑問を投げかけています。
またシュワルツ氏は反論を示した投稿のなかで、手数料の引き上げ幅をパラメーター(設定値)化し、バリデーター(取引の検証者)の投票で必要な範囲に調整できるようにする修正案も明らかにしました。
「XRPLは支配できない」
レンディング検証段階へ、予約案は今後議論
今回の提案と並行して、XRPLでは貸付機能「レンディングプロトコル」をはじめとするDeFi(分散型金融)分野の機能拡張も進められています。
リップルは同プロトコルについて、開発者がデブネット(開発用テストネットワーク)上で実装の統合や検証を始められる段階に入ったと説明しています。
一方、今回の予約制度はシュワルツ氏個人による提案であり、導入には手数料設定を含めバリデーターによる投票を経る必要があります。
予約制度をめぐっては手数料の引き上げ幅など具体的な設定水準が今後の論点となる見通しで、XRPLコミュニティにおける議論の行方に関心が集まっています。
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Source:デビッド・シュワルツ氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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