自転車の“あの部分”は「隠れた槍」。海外で警告、日本でも子どもが緊急手術に…「コケただけ」では済まない

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ただ自転車で転んだだけなのに――。

子どもが自転車で転んでも、元気そうにしていれば「転んだだけだから大丈夫」と思ってしまうかもしれません。

しかし、その転倒が、お腹の中の重い損傷につながることがあります。中には、緊急手術が必要になったケースも。

原因となるのは、自転車の“ある部分”。海外では「hidden spears」、日本語で“隠れた槍(やり)”とも呼ばれているといいます。

自転車の「隠れた槍」

国民生活センターによると、海外で「隠れた槍」と呼ばれている自転車の部分は、「ハンドルの端」です。

転倒した際、ハンドルの端がお腹に刺さるように強くぶつかると、内臓を損傷してしまう恐れがあるといいます。

同センターがプロのスタントマンの協力で行った再現でも、転倒時にハンドルの端が上向きになり、その上に覆いかぶさるようにお腹が当たる様子が確認されました。

こうした「ハンドル外傷」により、15歳以下の子どもが内臓を損傷するなどした事故情報は、2021年4月〜2026年7月の約5年4カ月で39件寄せられています。

年齢別では、7歳、9歳、11歳がそれぞれ6件と最も多くなっています。なかには、肝損傷と外傷性出血ショックで緊急手術となったケースもありました。

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U.Ozel.Images via Getty Images

病院に行くのが遅れることも

ハンドル外傷の怖いところは、見た目では“重いけが”だと分かりにくいことです。

国民生活センターによると、医学会誌に掲載された論文でも、一見しただけでは重度の損傷だと分からず、医療機関を受診するまでに時間がかかることがあると指摘されているといいます。

実際、寄せられた事故情報には次のようなケースがあります。

(1)

カーブを曲がりきれずに転倒し、ハンドルの端が腹部に強く当たった。自宅で様子を見ていたが、痛みが強くなり嘔吐したため受診。膵臓を損傷していた(9歳)

(2)

自転車競技の練習中に転倒し、ハンドルで左腹部を打撲。近くの医療機関の超音波検査では異常が見つからなかったが、腫れや痛みが続き、12日後に別の医療機関で腹壁ヘルニアが疑われ、手術を受けた(11歳)

◇

同センターの資料(10月7日付)に掲載された佐久総合病院佐久医療センター小児科・坂本昌彦副部長のコメントでも、ハンドル外傷について、「見た目の軽さ」と「お腹の中の重症度」が一致しないことが問題だと指摘されています。

皮膚に大きな傷がなくても、肝臓や腎臓などの内臓が傷ついていることがあるといい、「油断できない」としています。

こんな様子があれば早めに受診を

国民生活センターは、転んでお腹をぶつけた直後は元気でも、次のような様子があれば、「たかが転んだだけ」と一晩様子を見るのではなく、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。

▽打撲直後、もしくは1、2時間以内に吐いた

▽症状はなく元気だが、お腹に打撲痕がある

▽打撲後に顔色が悪い

▽尿の色がいつもと違う

▽打撲後も腹痛が続いている

受診先は、小児救急に対応している救急外来のある医療機関や、小児外科・外科のある医療機関が適切だとしています。

また、ハンドルのグリップの底が破れて中のパイプが露出していないか、乗る前に確認することも大切です。

保護者が見ていないところで転ぶこともあるため、日頃から子どもに「お腹をぶつけたらすぐに大人に伝える」ことを教えておくよう呼びかけています。

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