
この記事の要点
- 3メガバンクら69社が振替国債のトークン化を推奨
- Progmat・DA社が協業、国債24時間取引の実現へ
日本国債のトークン化、69社が振替方式を推奨
2026年10月21日、デジタル証券基盤Progmat(プログマ)が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」のワーキンググループ(WG)が、日本国債のトークン化に向けた中間整理をまとめ、近く公表することが明らかになりました。
日本経済新聞の報道によると、同WGには3メガバンク、日本生命保険、大和証券など69社・団体が参加しており、2026年5月の発足以来、日本国債をブロックチェーン上で発行・流通させるための仕組みや法的課題を検討してきたといいます。
その結果、中間整理では既存の制度との整合性や市場参加者への影響を考慮し、振替国債そのものをオンチェーンで管理する方式が推奨されたと報じられています。
この方式が実用化され、24時間365日の国債取引が可能になれば、日本と海外の決済時間の違いによる制約が緩和され、国内外の機関投資家によるレポ取引の資金効率改善につながる見通しです。
日本国債トークン化WGを設置
プログマ・DA社が協業、国債決済の検証開始へ
国債トークン化3方式、税制面で振替が優位
日本経済新聞によると、日本国債には日銀の国債登録簿に基づく「登録国債」と、社振法(社債、株式等の振替に関する法律)に基づく「振替国債」があり、WGでは振替国債にひも付く権利を含めた3つのトークン化方式を比較してきました。
検討で重要な論点となったのは、金融機関による取引で源泉徴収の免除を受けられるかどうかで、登録国債と振替国債にひも付く権利については免除の対象外となることが判明したといいます。
| 登録国債 | 対象外 |
| 振替国債 | 対象 |
| 振替国債にひも付く権利 | 対象外 |
こうした税制上の違いを踏まえ、中間整理では振替国債そのものをオンチェーンで管理する方式が、市場参加者への影響が少なく、既存の手続きとも整合的であると指摘しています。
カントン・ネットワークで国債取引を検証
この中間整理を受け、プログマとデジタルアセットホールディングス(DA)は、機関投資家向け金融に特化したブロックチェーン「Canton Network(カントン・ネットワーク)」を活用し、日本国債取引・決済のオンチェーン化で協業する方針だと報じられています。
両社は銀行などの口座管理機関が保有する振替口座簿とオンチェーンデータを連携させる仕組みを構築し、金融機関によるデータ移行の検証を進める計画です。
検証に使用するカントン・ネットワークは規制対象の金融市場向けに設計されたブロックチェーンで、取引情報の公開範囲を制御するプライバシー保護機能を備えており、金融機関による国債取引への利用が想定されています。
同ネットワークを利用した日本国債レポ取引については、MUFGグループが2026年8月13日にプログマ、DA社、セキュアードファイナンスとの協業による実証実験の開始を発表しており、国債の権利移転や決済処理をブロックチェーンと連動させる仕組みの検証が進められています。
24時間レポ取引へ、金融庁PIPが実証を支援
MUFGグループなどによる実証は、金融庁の「決済高度化プロジェクト(PIP)」の支援を受けており、国債の権利移転だけでなく、資金決済の仕組みも検討されています。
決済手段としてはトークン化預金やステーブルコインが候補に挙がっており、国債と決済資金の同時移転を目指す方針です。
こうした決済の高度化が求められる背景には、日本のレポ取引が国内の決済時間に制約されている事情があり、日本経済新聞はロンドンやニューヨークの営業時間とのずれによって、海外投資家が前営業日中に取引指図を確定させる必要があると指摘しています。
現行の取引環境では決済に備えて余剰資金を確保する負担が生じており、レポ取引の24時間化が実現すれば、国内外の機関投資家の資金効率改善につながると伝えられています。
270兆円の国債レポ、BC化へ
国債レポのオンチェーン化、日米で検証加速
米国では国債レポ取引のオンチェーン化が商用段階に進んでおり、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズは2026年4月9日、同社のブロックチェーン基盤を用いたレポ取引の月間処理額が3月時点で約8兆ドルに達したと発表しました。
日次平均処理額は約3,540億ドルで前年同月比392%増を記録しており、同社はブロックチェーンを利用した日中レポ取引が金融機関の資金調達負担や流動性確保に必要な資金の削減につながる可能性を示しています。
日本でも2026年4月20日、みずほフィナンシャルグループや野村ホールディングスなど4社が、カントン・ネットワークを利用して日本国債の担保取引を24時間365日成立させる仕組みの実現可能性を検証する実証実験を開始しました。
米国でレポ取引の商用化が先行するなか、日本では金融機関による実証と制度面の検討が進んでおり、今回のWGによる中間整理を踏まえ、振替国債のオンチェーン管理を実際の取引・決済に組み込むための検証が進められる見通しです。
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Source:日本経済新聞報道
サムネイル:AIによる生成画像

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