
この記事の要点
- 下院監視委の次期委員長がトランプ仮想通貨事業の調査表明
- 新議会で召喚権行使へ、WLFや利益相反を追及
トランプ大統領一族の仮想通貨事業追及へ
2026年11月3日、米下院で過半数を確保した民主党のロバート・ガルシア議員(カリフォルニア州選出)が、下院監視委員会の新委員長に就任後、トランプ一族の仮想通貨(暗号資産)事業を含む複数の調査に着手する方針であることが明らかになりました。
米政治メディアPunchbowl Newsの報道によると、調査対象にはトランプ一族の仮想通貨関連取引や家族の商取引が含まれ、DeFi(分散型金融)・ステーブルコイン事業「World Liberty Financial(WLF)」なども追及の対象となる見通しです。
これまで少数派として調査権限に制約があった民主党は、2027年1月の新議会で委員会の主導権を握ることで、関連企業に対しても召喚状による文書や証言の提出を要求できるようになります。
ガルシア議員は選挙結果を受け、下院監視委員会民主党の公式声明で「弁護士を用意しろ」と警告し、新体制での調査開始に向けた強い姿勢を示しました。
反汚職局創設へ法案提出
WLFへの巨額出資と利益相反を追及
「仮想通貨スキーム」名指しで追及へ
ガルシア議員はPunchbowl Newsの取材で、調査対象として「トランプの仮想通貨スキーム」を名指しし、ドナルド・トランプ・ジュニア氏の商取引や、ジャレッド・クシュナー氏ら親族による企業役員への就任、契約獲得の実態なども追及する意向を示しています。
同議員は「ゼロからのスタートではない。すでに公開されている膨大な資料に加え、数か月にわたり水面下で進めてきた作業がある」と述べ、新議会の発足前から調査に向けた情報収集を続けてきたことを明かしました。
下院民主党指導部や司法委員会とも調整を続けており、仮想通貨事業を含むトランプ一族の商取引について、複数の組織と連携して追及する構えを示しています。
WLFの外国資本問題、UAE側が49%保有
トランプ一族の仮想通貨事業に関する利益相反の疑惑では、DeFiプロジェクト「WLF」への外国資本の出資と、トランプ関連企業への資金流入が問題視されています。
ウォール・ストリート・ジャーナルの独自調査によると、アラブ首長国連邦(UAE)の国家安全保障顧問タハヌーン・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン氏に関係する投資会社「Aryam Investment 1」は2025年1月16日、WLFの49%を5億ドル(約790億円)で取得する契約を締結しました。
契約はトランプ大統領の就任4日前に締結され、初回支払額2億5,000万ドルのうち約1億8,700万ドルがトランプ一族の関連企業に渡る取り決めだったといいます。
WLFが進める信託銀行事業にも両者の資本関係が及んでおり、銀行の持ち株会社の49%をタハヌーン氏側の投資家、38%をトランプ一族の関連会社が保有しているとWall Street Journalが報じています。
トランプ氏「事業に関与せず」も追及続く
外国資本との関係に加え、トランプ大統領自身の仮想通貨関連収入も利益相反を巡る論点となっており、2026年6月30日に公開された2025年分の資産開示報告書では、ミームコイン関連事業で約6億3,600万ドル、仮想通貨関連収入の合計で少なくとも14億ドル超が報告されています。
トランプ大統領は2026年7月のCNBCインタビューで「自分のビジネスに関わることは一切していない。子どもたちが経営している」と述べ、事業運営への関与を否定しました。
こうした利益相反の疑惑に対し、民主党はこれまでも財務当局への調査要請や関連資料の開示を求めてきたものの、下院監視委員会では少数派として独自に召喚状の発行を主導できず、証拠収集に制約がありました。
ガルシア議員は新議会での調査権限について「裁判所への提訴権、刑事・民事の議会侮辱、そして召喚権がある」と強調し、政権が行政特権を主張した場合でも、関連する民間企業から直接証拠を収集する意向を示しています。
トランプJr.とバイデン息子に召喚要請
上院の先行調査に続き、クラリティ法案にも逆風
米上院では2025年5月6日、常設調査小委員会の民主党筆頭委員リチャード・ブルーメンソール議員が、TRUMPトークンとWLFを巡る予備調査を開始しており、外国政府との金融取引や利益相反の疑惑について関係企業に資料提出を求めています。
トランプ一族の仮想通貨事業を巡る利益相反は規制法案の審議でも争点となっており、市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」では公職者の仮想通貨事業への関与を制限する倫理規定を含む最終案が2026年9月14日に提示されたものの、翌15日の上院採決では審議入りに向けた討論終結動議が賛成49・反対50で否決されました。
共和党のビル・ヘイガティ上院議員は10月29日、中間選挙後の立法協議再開に意欲を示していたものの、米投資銀行TDコーウェンのアナリスト、ジャレット・セイバーグ氏は「民主党による上下両院の掌握で同法案の成立が今後2年間にわたり困難になる」との見方を示しています。
クラリティ法案の成立が不透明になる中、2027年1月の新議会ではトランプ一族への調査が下院にも拡大する見通しとなっており、ガルシア議員が召喚権をどの範囲まで行使し、外国資本との取引や利益相反の疑惑をどこまで検証できるかが問われています。
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Source:Punchbowl News報道 / 下院監視委員会民主党
サムネイル:AIによる生成画像

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