
2025年7月28日、中国・上海で開催された世界人工知能会議で展示されたファーウェイのAtlas 900 A3 SuperPoDの前を、来場者が通り過ぎる。(Chinatopix提供、AP通信経由)
By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, October 7, 2026
中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)が世界のインターネットインフラの広範な部分で支配力を拡大しており、「存亡に関わる」国家安全保障上の脅威になっていると、米情報機関の元幹部が警告した。
米国家安全保障局(NSA)長官を務めたマイク・マコネル退役海軍中将はインタビューで、中国政府は2000年にはファーウェイを通じて世界の通信インフラの2%を支配していたが、現在は50%超を支配していると警告した。このまま進めば、2030年までに中国政府が世界のインターネットインフラの75%近くを支配することになるとの見方を示した。
マコネル氏はワシントン・タイムズに対し、「世界の通信インフラを支配すれば、世界を支配することになる」と述べた。
「通信を止めることも、速度を落とすことも、悪用することもできる。それによって破壊したり、機能を低下させたりすることもできる」
マコネル氏は2007~09年に国家情報長官も務めた。欧州やアジアの企業を活用してファーウェイのインフラを置き換えることで、この問題は解決できるとしながらも、通信部門での中国の台頭について「戦略的規模での存亡に関わる脅威」だと指摘した。
1992~96年にNSA長官を務めた同氏は、中国が世界の通信インフラを支配するのを許したのは米国の怠慢だと批判した。
現在はエリクソン・フェデラル・テクノロジー・グループの取締役会長を務め、中国による世界規模のインターネット支配の危険性について警鐘を鳴らしている。
マコネル氏によると、エリクソンは中国以外の通信機器メーカー数社と連携し、中国によるインターネット支配を阻止するため、連邦政府に対策を取るよう働き掛けている。
中国政府は巨大経済圏構想「一帯一路」の一環である「デジタルシルクロード」などを通じて、発展途上国で通信インフラの整備を進め、通信分野での影響力を拡大している。
マコネル氏は「中国人はパナマやペルー、アルゼンチンのような国に行って、『われわれがあなた方の通信インフラを整備します。金利1%の融資も提供します。それから港も改修し、主要輸出品が運ばれる場所から港まで鉄道も建設します。エリクソンやノキア、サムスンから調達する場合の50~70%の費用でやります』と言う」と説明した。
同氏によると、中国政府が推定1500億ドルを投じてファーウェイを補助しているため、他の通信機器メーカーは価格面で競争できない。ファーウェイは大規模な国民監視も行っていると指摘した。
中国政府はある時点で、自国のモデルを世界中に広めることで、中国が世界規模の監視国家を構築できると考えるようになったという。
その危険性を示す一例が、国際的な銀行送金システム「SWIFT」だ。世界の金融取引で使用されている高い信頼性を誇るシステムで、金融機関間の資金移動額は3日間で100兆ドルを超える。
マコネル氏は「もしそのネットワークを操作できるとしたら、どうなるか想像できるだろうか。このネットワークの速度で資金を動かせなければ、物々交換に戻ることになる。鉄やアルミニウムと鶏やヤギを交換するようなものだ。それでは機能しない。われわれは極めて脆弱だ」と述べた。
人工知能(AI)の登場によって侵入の範囲と速度が拡大し、サイバー攻撃の脅威も増している。
マコネル氏によると、AIによって攻撃側の能力が急速に向上し、防御側が対応できる速度を上回っている。
AIを利用する中国のサイバー攻撃者は毎秒4万件のネットワークスキャンを実行できる。企業のセキュリティー部門もAIによるスキャンを利用できるが、攻撃者が不正アクセスのためにどの脆弱性を悪用するかを特定するには限界があり、対応を難しくしている。
企業による対応も一部で進んでいる。マコネル氏によると、最高経営責任者(CEO)の3人に1人がこの問題への対応が必要だと認識している一方、セキュリティーへの投資は依然として不十分だという。
「そこに人工知能が登場し、事態を100倍悪化させた。われわれは深刻な問題に直面している。中国は世界の通信を支配しつつあり、AIを持ち、ネットワークで光の速度で脆弱性を見つけることができる」と同氏は述べた。

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