
この記事の要点
- マスターカードとBVNK、法定通貨とSCを統合する決済基盤を提供開始
- 170億超の送金網と連携し、SC残高を世界へ現地通貨で送金可能に
まずはステーブルコインを詳しく
マスターカード×BVNK、SC統合基盤を提供開始
決済大手Mastercard(マスターカード)とBVNKは2026年10月15日、新たな決済基盤「Mastercard Global Money Platform」の提供開始を発表しました。
両社によると、同基盤は法定通貨とステーブルコインを単一のAPIで扱う仕組みで、銀行やフィンテック企業などが自社ブランドのサービスに組み込める設計となっています。
これにより、導入企業は法定通貨とステーブルコインの保有・両替・送金・決済を一つの基盤で扱い、顧客向けの金融サービスとして提供できるようになります。
新基盤は、マスターカードが2026年8月に買収したBVNKとの初の大型統合プロダクトにあたり、両社は従来の決済網とステーブルコインを結び付けるサービスの提供に乗り出しました。
SoFi×マスターカード、SC決済を開始
170億超の送金網、ステーブルコインと直結へ
SC残高を現地通貨で銀行口座へ直接送金
マスターカードとBVNKが発表した新基盤では、法定通貨とステーブルコインを同一口座で保有する「グローバルマネーアカウント」が中核に据えられています。
両社によると、同口座では法定通貨とステーブルコインをリアルタイムで両替でき、企業は通貨の保有から資金移動までを単一のAPIで管理できるとしています。
国際送金には、170億を超えるエンドポイントに接続する「Mastercard Move」を組み合わせ、ステーブルコインで保有する資金を受取人の現地銀行口座へ法定通貨で送金する仕組みが採用されました。
両社は国際送金について、2027年に対応範囲を40通貨超・200ヵ国・地域以上へ拡大する計画を示しており、ステーブルコイン残高を利用できるカードについても130ヵ国超で発行可能だと説明しています。
最大18億ドルのBVNK買収、5社が初期統合
新基盤の提供を担うBVNKについて、マスターカードは2026年3月17日、同社を最大18億ドル(約2,845億円)で買収することで合意したと発表していました。
同年8月3日に買収手続きを完了し、BVNKのステーブルコイン決済技術を自社のグローバル決済網に取り込む体制を整えました。
今回発表された新基盤の初期統合先には、決済大手ヌーベイ(Nuvei)とカード発行プラットフォームのマルケタ(Marqeta)に加え、オントップ(Ontop)、ビーム(Beem)、アーモンドフィンテック(Almond FinTech)の計5社が名を連ねています。
このうちマルケタは2026年9月9日、BVNKとステーブルコイン連動型カードの提供に向けた提携を発表しており、顧客企業がデジタルドルを使った決済機能を既存の金融サービスに組み込めるようにする計画を明らかにしています。
20以上のネットワークに接続、AI決済にも拡張へ
マスターカードとBVNKは、初期統合企業が新基盤を自社サービスに組み込むため、送金・受取・両替・保管・支払い・報酬の各機能をモジュール式で提供すると説明しています。
こうした決済機能を支える接続網について、BVNKは公式発表で、20以上のブロックチェーンネットワークや決済経路に対応し、Stellar(ステラ)、Arc(アーク)、Monad(モナド)、Plasma(プラズマ)、Tempo(テンポ)などのネットワークに加え、USDC、USDG、OUSDといったステーブルコインを取り扱うと明らかにしました。
両社は現在の送金・決済機能だけでなく、今後はAIエージェントが自律的に取引を実行する「エージェント型商取引」や、トークン化預金など新たな形態のデジタルマネーにも対応を広げる計画です。
マスターカードのブロックチェーン・デジタルアセット部門エグゼクティブバイスプレジデントであるラージ・ダモダラン氏は、こうした将来の商取引について、複数の形態の通貨が相互に接続されることが基盤になるとの見方を示しています。
SBIら、AIエージェント決済を共同検討
ビザ参入でステーブルコイン競争激化、国内は実証進む
決済大手によるステーブルコインの取り扱いはマスターカードに限らず、ビザ(Visa)も2026年7月16日、金融機関やフィンテック企業向けの運用基盤「Visa Stablecoin Platform(VSP)」を発表しました。
VSPはステーブルコインの発行・償還・保管・送金などを扱う基盤で、一部顧客向けのベータ提供を通じて、既存の決済業務への導入方法を検証する方針を示しています。
ステーブルコインの実用化に向けた動きは日本の銀行にも及んでおり、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクは2026年度中のステーブルコイン共同発行を目指すほか、輸出債権の買取と資金決済を対象とする金融庁支援の実証実験にも参加しています。
Visaが限定的なベータ提供、国内3メガバンクが実証を進める一方、マスターカードはBVNKとの統合基盤をすでに商用提供しており、今後は初期統合企業によるサービスへの実装を通じて、国際決済での利用を広げる方針です。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.15 円)
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Source:Mastercard公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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