(CNN) 米連邦選挙委員会(FEC)に15日に提出された新たな届け出資料から、実業家のイーロン・マスク氏が今年の中間選挙に大きな影響力を及ぼしている実態が明らかになった。注目のテキサス州上院選にはとりわけ注力している。
マスク氏は2024年大統領選で、トランプ大統領の選挙戦を後押しするために2億5000万ドル(約375億円)以上を献金した。今回も共和党の活動を支える柱の役割を担っている。
上院選を対象とする共和党の主なスーパーPAC(特別政治活動委員会)「セネート・リーダーシップ・ファンド(SLF)」の第3四半期報告書によると、マスク氏は9月9日に7500万ドル、23日に8300万ドルを寄付した。
合わせて1億5000万ドル(約240億円)を超える資金は、別の団体「テキサスPAC」にそのまま流れた模様だ。テキサスPACは異例の接戦となっているテキサス州上院選に特化して設立された団体。テキサス州には、マスク氏が手がける事業の多くが拠点を置いている。
マスク氏はテキサス州に巨大なビジネス帝国を築き、米宇宙企業スペースXや電気自動車メーカーのテスラ、SNSのX(旧ツイッター)といった傘下企業を集約している。24年には、XとスペースXの本社をカリフォルニア州からテキサス州に移転した。
テキサス州では現職のジョン・コーニン上院議員(共和党)が保持する議席を巡り、共和党系団体の支援を受けるケン・パクストン司法長官と民主党候補のジェームズ・タラリコ氏が接戦を繰り広げている。
届け出資料によると、SLFは9月10日、テキサスPACへ7500万ドルを送金。これは前日にマスク氏がSLFに寄付した額と完全に一致する。24日にも8300万ドルを送金しており、やはりマスク氏がSLFに同額を寄付した翌日だった。

上院選の共和党候補、ケン・パクストン州司法長官と握手を交わすトランプ氏=7日/Win McNamee/Getty Images
マスク氏から共和党への資金流入が始まった9月には、共和党候補を後押しする広告が急増した。広告分析会社アドインパクトのデータによると、テキサスPACは9月だけで7700万ドルを超える広告費を投入。9月に急増した分と投票日までの予約分を合わせると、パクストン氏を支援する広告に計1億6000万ドル近くを投じる見通しだ。
タラリコ氏とパクストン氏の対決は、全米の選挙戦でも特に行方が注目される。広告費は総額5億ドルを超えるが、新たに実施された二つの世論調査では、どちらが優勢かはっきりしない。
タラリコ氏は14日夜、CNNと米メディアのジュビリーが主催した対話集会に単独で登壇し、テキサス州の有権者からの質問に答えた。エネルギー政策については「自分が所属する政党であっても他党であっても立ち向かう」と言明。移民政策を巡っては、両党の「過激主義」を批判した。

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