セイコーウオッチは6月8日、最高峰ブランド「グランドセイコー(GS)」の「ヘリテージコレクション(オリジナル44GS)」に属するゴールド仕様の3モデルについて、7月6日より価格改定を実施すると発表した。
対象となる3品番の新旧価格、および値上げ幅は以下の通りである。
SLGA027(18Kホワイトゴールドモデル)
【旧価格】880万円 ➔ 【新価格】1265万円(385万円の値上げ/約43.7%アップ)
SLGA028(18Kイエローゴールドモデル)
【旧価格】792万円 ➔ 【新価格】1100万円(308万円の値上げ/約38.8%アップ)
SLGA030(18Kピンクゴールドモデル)
【旧価格】792万円 ➔ 【新価格】1100万円(308万円の値上げ/約38.8%アップ)
この発表を受け、SNS上では「一瞬理解できなかった…価格の改定幅すごい」「インフレが止まらない」といった、値上げ幅に驚く声が多く見られた。
グランドセイコーは1960年に誕生した高級時計ブランドである。熟練の職人による手作業の組み立てや精密な外装仕上げに定評がある。主要技術である「スプリングドライブ」は、機械式の動力(ぜんまい)とクオーツ式の制御技術を融合させた独自機構であり、秒針が途切れなく滑らかに回る特徴を持つ。
今回の価格改定の背景には、近年の金やプラチナといった主要な貴金属の世界的な価格高騰、および製造コストの上昇という外部環境の変化がある。

セイコーグループ
同時に、親会社であるセイコーグループが発表した2026年3月期の通期決算内容によると、GSを中核とする時計・リテール部門(エモーショナルバリューソリューション事業)の国内外での販売が想定を上回って推移。
売上高2204億円(前年度比10.7%増)、営業利益285億円(同28.7%増)を記録した。これはグループ全体の連結営業利益(308億円)の大部分を占める規模であり、全体の業績を強力に牽引している。中価格帯の実用時計を中心とした従来の収益構造から、高利益率なプレミアムブランドビジネスへの移行が進んでおり、かねてより推し進めている「グローバル・プレミアム戦略」の成果が表れた格好だ。

セイコーグループ
同ブランドは近年、欧米を中心とする海外の富裕層市場の開拓に注力。今年の3月にはドジャースの大谷翔平選手をグローバルパートナーに起用し、国際的な知名度を高めるなど、スイスの競合ブランドと並ぶトップラグジュアリーとしてのポジションを目指している。並行してグローバル統一価格の徹底、平均客単価の引き上げを進めている。

Trading View
こうした時計・リテール部門の躍進を背景とした収益構造の改革は、株式市場でも高い評価材料となっている。過去5年間の株価チャートを振り返ると、同社の株価は2021年以降、業績の拡大とともに右肩上がりの強い上昇基調を継続。直近にかけて大幅な高値圏へと浮上を遂げている。
高価格化戦略の推移とセイコーグループの今後の業績は、国内の製造業におけるハイエンド・ブランドシフトのケーススタディーとして、今後も市場の注目を集めそうだ。
※本記事は、事例として取り上げた金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報によって読者に発生した損害や損失に関しては、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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