
この記事の要点
- ETH機関導入を支援する独立非営利組織「Ethereum Institutional」が発足
- 東京含む世界の主要金融センターへ拠点拡大を計画
イーサリアム機関投資家向け組織が発足
イーサリアム(ETH)の独立非営利組織「Ethereum Institutional(イーサリアム・インスティテューショナル)」が2026年7月1日に発足し、機関投資家向けの取り組みを本格的に開始しました。
同組織は、イーサリアム財団で約1年間にわたり機関投資家向け対応を担ってきたチームの業務を引き継いで設立され、銀行・資産運用会社・中央銀行などがイーサリアムと直接対話できる独立した窓口の役割を担います。
設立には米上場企業のBitmine(ビットマイン)とSharplink(シャープリンク)、イーサリアム共同創業者のジョー・ルービン氏が創設支援者として名を連ねています。
発足初日からは教育・調査・マーケティングなど5つの重点領域に取り組み、今後は東京を含む世界の主要金融センターへ拠点を広げる計画です。
1/ Announcing Ethereum Institutional
An independent non-profit dedicated to accelerating the institutional adoption of Ethereum, its L2s, applications and overall ecosystem. pic.twitter.com/XUeViH6rrq
— Ethereum Institutional (@ethereuminsti) July 1, 2026
Ethereum Institutionalの発表
イーサリアムやそのレイヤー2(L2)、関連アプリケーション、エコシステム全体の機関投資家による採用を促進することを目的としています。
ETH財団、予算と人員を大幅削減
中立性を軸とする組織設計と活動計画
偏りのない対話相手の不在という課題
公式サイトによれば、イーサリアムのエコシステムでは、研究開発を担う団体やサービスを提供する企業は存在する一方で、機関投資家が利害関係を気にせず相談できる独立した窓口が不足していました。
こうした状況を受けて発足した同組織は、特定の商業的な利害を持たない立場から、機関投資家がイーサリアムを検討する際の最初の相談先となることを目的としています。
機関向けの窓口として、技術や制度に関する情報提供に加え、導入時に求められる要件の整理やエコシステムとの連携も担い、金融機関が中立的な立場でイーサリアムを検討できる環境づくりを支える役割を果たすとしています。
同組織で事務局長を務めるデビッド・ウォルシュ氏は「イーサリアムの信頼できる中立性は最大の強みの一つだが、代弁者のいない中立は沈黙とみなされることが多い」と述べ、機関投資家とエコシステムをつなぐ独立組織の必要性を強調しました。
設立初日から動く5つの注力領域
同組織は設立初日から教育・調査・マーケティングなど5つの重点分野で活動を開始しました。主な取り組みは次のとおりです。
| 機関向け教育・エンゲージメント | 銀行・資産運用会社・カストディアン(資産保管機関)・中央銀行などと直接連携し、トークン化やステーブルコインの活用を推進 |
| 機関向けインテリジェンス | イーサリアムの仕組みや方向性を中立的な立場で調査・発信し、金融機関の内部の意思決定を支援 |
| ETH・エコシステムのマーケティング | ETHを機関投資家の中核資産として訴求し、実際の導入事例を通じてエコシステムの信頼性を高める |
| 業界ニーズの発掘・要件収集 | 資産の発行・保管・決済に関する機関側の要件を集約し、標準化の整備につなげる |
| 機関向けイベント | 機関とエコシステムの参加者を中立の場に集め、新たな連携や導入を後押し |
東京含む世界主要都市へ拠点拡大
機関とのネットワークはすでに構築されており、前身チームはこれまでに大手銀行や資産運用会社など500を超える機関との関係を築いてきたとしています。
また、主催する会合「Institutional Ethereum Forum(機関イーサリアム・フォーラム)」には、合計約250兆ドル(約4京675兆円)の運用資産を抱える機関から150人を超える幹部が参加してきました。
同組織はこうした関係を基盤に、ニューヨーク・ロンドン・香港・シンガポールに加え、東京やチューリッヒなど世界の主要金融センターへ拠点を広げ、各地域へ専任担当者を配置する計画です。
イーサリアム中核開発に資金枯渇の懸念
29.3兆円超が流通するETH基盤が背景に
Ethereum Institutionalは、イーサリアム財団の元幹部らが設立した研究開発ラボ「Ethlabs(イーサラボ)」に続き、この1週間で公表された2例目の独立組織となりました。
イーサリアム財団は2025年10月にも機関投資家向けポータルサイト「Ethereum for Institutions」を開設しており、財団内で進めてきた機関向け支援は、今回の発足を機に独立した専門組織へ移される形となります。
同組織の発表では、イーサリアム上で約1,800億ドル(約29.3兆円)のステーブルコインが流通しているほか、トークン化されたRWA(現実資産)の約3分の2がイーサリアム上で運用されているとも紹介されています。
今後は、東京を含む各拠点への展開に加えて、同組織と実際に連携する銀行や資産運用会社の顔ぶれがどのように明らかになっていくかへ関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.58 円)
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Source:Ethereum Institutional公式サイト / プレスリリース
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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