(CNN) 最高の「iPad」について語るのは、捨て曲のないアルバムでトップソングを議論するようなものだ。誰もが一理ある。アップルは最高のタブレットをいくつも作っているので、選んだものが買えるなら、その判断におそらくは満足するだろう。とはいえ、トップクラスのiPadについて語るとき、筆者は「やりすぎ」という言葉を何度も使ってきたので、今が究極のアップル製タブレット購入ガイドを書くのにちょうどいい頃合いだと思った。そうすれば、新しいiPadにお金を使いすぎることなく、ほかのあらゆるニーズのために予算を振り向けられる。
CNN Underscoredは適切な1台を簡単に選べるよう、アップルの現行モデル(さらに店頭でまだ見つけられるいくつかの旧モデル)iPadをテストしレビューしてきた。早速紹介していこう。
最高のiPad:「iPad(第11世代)」

Henry T. Casey/CNN Underscored
単純な事実として、無印iPadはやはりほとんどの人にとって適切な選択肢だ。この第11世代ではその真実味がさらに増している。今後何年にもわたってすべてがスムーズに動くことを保証するプロセッサーとストレージにアップグレードされているからだ。
iPad(第11世代)は349ドル(日本では税込5万8800円)からで、「iPad Air」より数百ドル安く、「iPad Pro」と比べればほぼ3分の1の価格だ。ほかのiPadと同じように、「MacBook」と使うユニバーサルコントロールを含め「iPhone」などのアップル製品との連携機能もすべて備えている。11世代にはわずかに高速化した「A16」プロセッサーが搭載され、ストレージオプションは128GB~512GBと第10世代から改善している。テストしてみると、新しいチップはマルチタスクを堅実にこなし、30GB以上を使って人気ゲーム「原神」をインストールしたときにこの追加のストレージ容量が役立つことがわかった。それ以外は第10世代と変わらないが、最近ではこの旧モデルのお買い得情報は見つけづらくなっている。いずれを購入するにせよ、金額に見合う十分なiPadが手に入るだろう。
同モデルはかなり良い11インチ画面を搭載していて、明るく色鮮やかな画質は、なぜ安価なタブレットの画面で妥協していたのかと思わせるほどだ。
A16チップは、「Slack」「Discord」「Brave」を行き来しながら作業を片付けるところから始め、大量のアプリを使っても軽快なパフォーマンスを発揮した。
無印iPadもUSB-Cポートを備えているので、もう古い「Lightning」コネクターに縛られることはない。WiFiが届かない場所向けにオプションの5Gワイヤレス接続を備えた最初の無印モデルでもあり、ほかすべてのアップル製現行タブレットと足並みをそろえた。
読書に最適なiPad:「iPad Mini(第7世代)」

Henry T. Casey/CNN Underscored
iPad Mini(第7世代)は前世代から多くは変わっていないが、すでにほぼ完璧な読書用タブレットなのだから、いじる必要はないだろう。この小型最新モデルは以前と同じ超軽量で快適にグリップできるデザインと、鮮やかな8.3インチLiquid Retinaディスプレーを搭載している。つまりお気に入りの本やグラフィックノベルを手にソファでくつろぐときには相変わらず最高だということだ。本稿で紹介するほかのiPadがラップトップのような汎用(はんよう)性を提供しているのに対し、iPad Miniは優れたタブレットであることだけにひたすら集中し続けている。デジタル読書家にはぴったりの1台だ。
とはいえ、iPad Miniは友人との「FaceTime」や、テレビ番組の一気見、さらにはこれまで以上にスケッチやゲームにも活用できる、機敏なオールラウンドタブレットでもある。この最新の2024年モデルは高速な「A17 Pro」チップを積んでいて、「バイオハザード4」のようなハイエンドのAAAタイトルをプレーできる初のiPad Miniとなっている。さらに「Apple Pencil Pro」にも対応しているので、これまで以上に細かいコントロールがきくようになった。バッテリー駆動時間に関しては、1日まるまる仕事や遊びに使ってもいくらか余力が残る。同モデルはバッテリーテストで4K動画を11時間30分にわたって再生してみせた。
一方で、アップルがこの最新iPad Miniをもっと今どきのものにしてほしかったと思う点もいくつかある。ディスプレーのベゼルは分厚く見え始めているし、ビデオ通話でタブレットを横向きで使うとカメラの位置が不自然になる。これは文字どおり、中身を改善し、Apple Pencil Proに対応した第6世代iPad Miniなので、数年前に第6世代(21年モデル)を買った人にアップグレードする理由はほぼない。だが、それ以外の人で、特に読書にぴったりなパワフルで超ポータブルなタブレットがとにかく欲しいという場合は、新しいiPad Miniはその役割を極めてうまく果たしてくれる。
クリエーターに最適なiPad:「iPad Air(M4)」

Henry T. Casey/CNN Underscored
iPad Airは26年も変わらずその名に忠実で、軽快なパフォーマンスのすべてを超薄型・465グラムのデザインに詰め込んでいる。その軽さはバッグに入れていても気づかないほどだ。だがそれだけでなく、私たちがiPad Airをより手頃なiPad Proの代わりとして勧めるのには十分な理由がある。このモデルは私たちがこれまでテストした中で最速の部類に入るタブレットなのだ。
「M4」搭載Airは、Geekbench 6のパフォーマンスベンチマークテストでほとんどの競合機種を打ち負かした。この性能によって、10個以上の負荷の高いアプリを使いこなし、「バイオハザード7 レジデントイービル」といった精巧なグラフィックのゲームをプレーし、外部モニターを接続して2画面でカクつくことなく作業することができた。Macのようなマルチタスクツールを提供する最新の「iPadOS 26」アップデートと組み合わせれば、特定のシナリオでは正当な(不完全ではあるが)ラップトップの代替になりうるマシンが手に入る。
iPad Air(M4)はWiFi 7とBluetooth 6に対応している。さらに旅行用タブレットとしても優秀で、バッテリーテストでは4K動画の10時間連続再生に耐え抜いた。iPad(第11世代)とiPad Miniはこれよりも約1時間長く持続し、iPad Proは13時間以上だったので、iPadで得られる最高記録というわけではないが、長時間のフライトやオフィスでの1日には十分すぎるといえる。
同機に対する最大の不満は、過去数世代と比べてあまり多くの追加がなされていないことだ。初めてiPadを買う、あるいは限界に近い旧モデルからアップグレードするのなら問題ではないが、「M2」や「M3」搭載iPad Airを持つ人は現状維持でいいと思う。iPad Airをまともなラップトップの代替品に変えようとするには、269ドル(同4万6800円)のMagic Keyboard代を考えると高くつくし、特定の「iPadOS」アプリは、大画面用に作られたものというよりもやはり引き伸ばされたモバイルソフトウェアのように感じられる。
iPad Air(M4)は11インチと13インチから選べる。前者のサイズと重量のほうが日常使いには快適だと思うが、後者は優れたマルチタスクツールを活用したい場合に適している。
OLEDディスプレー、Face IDログイン、より高度なカメラといったiPad Pro限定の要素をあきらめても構わないなら、iPad AirはiPad Proのほぼ半額で同程度のパワーを提供してくれる。アップルのタブレットラインアップ全体で、これより優れた価値の一品を見つけるのは難しいだろう。
最高に自慢できるiPad:「iPad Pro(M5)」

Mike Andronico/CNN Underscored
最高のタブレット体験のために1000ドル(同16万8800円)以上を出しても問題ないというなら、iPad Proは引き続き取るべき選択肢だ。新しい「M5」モデルは2024年のiPad Pro(M4)からほとんど何も変わっていないが、ありえないほどに薄型のデザインに見事なOLED画面を備え、ラップトップレベルのパフォーマンスを発揮する同機に本当に追加すべきものなどあるだろうか。
アップルの最新プレミアムタブレットは、これまでテストした中で最速のタブレットだ。Geekbench 6のパフォーマンススコアは、M4モデルより約13%向上し、iPad(第11世代)とiPad Mini(第7世代)のほぼ3倍に達した。さらに重要なのは、日常使いでとにかく猛烈に速かったことだ。多数の生産性アプリをシームレスにこなし、「Garageband」で音楽を作り、「Adobe Express」でチラシをつまずくことなくデザインし、「NBA 2K26」のような視覚的に負荷の高いゲームをカクつくことなくプレーできた。バッテリー駆動時間も13時間をゆうに超え、他のすべての現行iPadシリーズにかなりの差を付けた。
OLED画面を持つ唯一のiPadでは、スーパーマンのスーツの青と赤が本当に鮮やかで、いつものテキストも十分に黒々と見えた。最大120Hzの「ProMotion」テクノロジーを備える唯一のiPadでもあり、他のiPadと比べてスワイプやアプリの整理が2倍なめらかに感じられる。
これまで通りiPad Proは出費がかさむ。11インチを最低価格で手に入れるとして、Apple Pencilに少なくとも79ドル、Magic Keyboardに299ドルを費やすと、iPad Proをフルに体験するには最低でも1377ドルをみておくことになる。13インチモデルで、より大容量のストレージオプションを選ぶとしたら、簡単に2000ドル台にはねあがりかねない。
大多数の人は、あのナイスなOLED画面はないものの同等の優れたパフォーマンスと機能をはるかに下回る価格で提供してくれる「iPad Air(M3)」でも十分に満足できるだろう。これだけの金額を出そうという人は、いっそのことタブレットの汎用性は欠けるものの日常のマルチタスクにははるかに直観的だと感じる「MacBook Air」や「MacBook Pro」を検討するのもいいかもしれない。だが、このカテゴリーにたどり着いたのなら、奮発することに目を向けているということだ。そして奮発しようとしているなら、iPad Pro(M5)は究極の価格に見合った究極のiPad体験をかなえてくれる。
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本稿はCNN Underscoredのヘンリー・T・ケイシー記者とマイク・アンドロニコ記者による製品レビュー記事です。
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