Visa Direct「USDC国際送金」が商用段階へ|180カ国超で展開

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この記事の要点

  • Visa Direct、USDC国際送金の商用運用を開始
  • ステーブルコイン決済額は前年比15倍超に急拡大

USDC送金が商用段階へ「Visa Direct」始動

決済大手Visa(ビザ)は2026年10月15日、国際送金サービス「Visa Direct」のステーブルコイン機能をパイロット段階から商用運用へ移行すると発表しました。

商用化の第一弾では、決済インフラ企業Inyo Global(イニョ・グローバル)が最初の対応事業者となり、米ドル連動型ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」を使った海外送金の事前入金機能を提供します。

この体制のもとで、送金事業者やフィンテック企業は、従来の銀行の資金移動手段に頼らず、USDCで海外送金の原資をほぼリアルタイムにプリファンド(事前入金)できるようになります。

Visaは今回の商用化を通じて、これまで実証を重ねてきたステーブルコイン技術を実際の国際送金業務に導入し、今後は他のパートナーや利用用途にも展開を広げる方針です。

Visa Directのグローバルヘッドを務めるヴィラ・プラトノヴァ氏は、こうした動きについて「ステーブルコインをめぐる次の章は普及であり、これまでの取り組みがライブ実装へと移りつつある」と述べています。

USDC送金、2つのパイロットから商用段階へ

送金原資と受取で2種類のパイロットを実施

今回の発表に先立ち、Visaは2025年、ステーブルコインを国際送金に組み込むため、送金元の資金準備と受取人への支払いをそれぞれ対象とした2種類のパイロットを開始しました。

同年9月30日に国際金融イベント「SIBOS」で発表したプリファンディング型では、企業が法定通貨の代わりにステーブルコインをVisa Directへ事前入金し、海外送金の原資として利用する方式を採用しました。

続く11月には、企業が法定通貨で送金し、受取人がUSDCなどのステーブルコインで資金を受け取るペイアウト型のパイロットも公表され、銀行口座を持たない利用者への送金も想定されています。

今回の商用化では、2025年に開始した2種類の実証のうち、海外送金の原資をUSDCで準備するプリファンディング型が先行し、Inyo Globalによる実運用が始まっています。

既存プラットフォームにUSDC入金機能を追加

Inyo Globalは、送金事業者やフィンテック企業、銀行などに提供する既存の決済プラットフォームに、Visa DirectのUSDCプリファンディング機能を統合しました。

同社の決済基盤は、ユーザーのオンボーディングや不正防止、コンプライアンス管理、決済受付に加え、180カ国超への送金を単一の接続で処理するもので、幅広い金融サービスに利用されています。

今回の統合により、顧客企業は新たなシステムを構築することなく、既存のInyo APIからUSDCによる事前入金機能にアクセスできると同社は説明しています。

Inyo Globalの共同創業者でCPTO(最高プロダクト・技術責任者)を務めるロブソン・ダンタス氏は、既存APIを通じて24時間利用可能な資金準備手段を提供し、銀行の営業時間に左右されない送金業務を支える考えを示しました。

ステーブルコイン決済、前年比15倍超に急成長

Visaは国際送金への商用導入と並行して、ステーブルコインを利用した決済処理の規模も拡大しており、2026年9月8日には年間換算ランレートが200億ドル(約3兆1,600億円)を突破したと公表しました。

この決済規模は前年同期比で15倍超に相当し、同年4月時点に報告していた70億ドル(約1兆1,100億円)からも、約5カ月で3倍近い水準に達しています。

ステーブルコインの利用はカード決済にも及んでおり、Visaが公開した資料によると、同社ネットワーク上では160を超えるステーブルコイン連動カードプログラムが稼働し、その決済額は前年同期比で200%近く増加しました。

こうしたカード決済分野での利用拡大と並行して、Visaは金融機関間のクロスボーダー決済でもステーブルコインの活用を検証しています。

決済2大ブランド、ステーブルコイン対応を強化

金融機関間の決済分野では、Visaが2026年9月30日、英ロイズ・バンキング・グループとのステーブルコインを使った共同パイロットを完了したと発表しました。

この実証では、ロイズがUSDCを使って総額75万ドル(約1億1,860万円)の決済債務をVisaに支払い、週末を含む7日間の試験で資金が1時間未満で到着したと報告されています。

競合のMastercardも2026年6月、USDCなど複数のステーブルコインを対象に、カード決済のセトルメント機能を拡充する計画を発表しており、大手決済ネットワークではステーブルコインを実際の決済業務に組み込む動きが広がっています。

Visaは今回、Inyo Globalを通じてUSDCによる事前入金を商用化しており、今後は他のパートナー企業への導入や利用用途の拡大を進める方針です。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.02 円)

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Source:Visa公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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