3.2兆円を集めた仮想通貨詐欺、セルシウス創業者に永久取引禁止処分

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この記事の要点

  • CFTCがセルシウス創業者と和解し永久取引禁止処分を確定
  • 刑事の禁錮12年に続き民事訴訟も終結、SEC訴訟は継続中

セルシウス創業者に永久取引禁止処分

米CFTC(米商品先物取引委員会)は2026年6月18日、仮想通貨の貸付サービスを手がけたCelsius(セルシウス)創業者アレックス・マシンスキー氏と和解し、同氏に永久の取引禁止が科されたと発表しました。

この同意命令では、取引の禁止に加えて、業者としての登録の禁止と、商品取引所法(CEA)の詐欺防止条項に違反する行為の差し止めも命じられました。

マシンスキー氏が率いたCelsiusは2022年に経営破綻しており、同氏はこの破綻に絡む詐欺で、すでに刑事事件で12年の実刑判決を受けています。

2023年以降、同氏は刑事・規制・証券の3つのルートから並行して責任追及を受けており、今回の和解によってCFTCによる民事手続きは終結しました。

「銀行より安全」の虚偽宣伝で3.2兆円集金

CFTC訴状が示す詐欺スキームの実態

CFTCが2023年7月13日に提起した訴状では、マシンスキー氏とCelsiusは2018年から2022年6月にかけて、数十万人の顧客を組織的に欺いたと指摘されています。

Celsiusは、顧客から預かったデジタル資産をまとめて運用し、その収益を週ごとの利息や「報酬」として顧客へ還元すると説明していました。

マシンスキー氏は動画やブログ、ライブ配信やSNSを通じて、Celsiusを銀行に代わる「安全な」預け先として宣伝し、高い利回りを約束していたとされています。

しかし利息の支払いを続けるため、Celsiusは無担保の融資や規制対象外の分散型金融(DeFi)取引など、リスクの高い運用へと傾いていったと指摘されています。

顧客がCelsiusに預けた資金は総額で約200億ドル(約3兆2,220億円)に達しましたが、運用は破綻し、同社は2022年7月に破産を申請しました。

禁錮12年に加え規制上も永久追放

刑事面でも手続きが進み、ニューヨーク南部地区連邦検察局による起訴を経て、マシンスキー氏は2024年12月3日に商品詐欺と証券詐欺の罪を認めました

2025年5月8日の量刑では、禁錮12年に加えて5万ドル(約805万円)の罰金と、4,839万3,446ドル(約78億円)の没収が命じられました。

刑事手続きで詐欺が認定された後、CFTCによる民事訴訟も今回の和解によって終結し、同氏に対する規制上の永久取引禁止命令が確定しました。

SECも証券法違反の疑いで別途訴訟

一方、SEC(証券取引委員会)も同じ一連の行為をめぐり、2023年7月13日にCelsiusとマシンスキー氏を証券法違反の疑いで提訴しています。

SECは、Celsiusが利息提供プログラム「Earn」を通じて未登録の証券を販売し、投資家への虚偽の説明や自社トークンCELの価格操作を行ったと主張しています。

デジタル資産を商品とみるべきか証券とみるべきかという管轄の違いを背景に、CFTCとSECは別個に訴訟を提起し、それぞれ異なる枠組みのもとで手続きを進めてきました。

デジタル資産の管轄区分整理が課題に

マシンスキー氏をめぐる訴訟手続きが区切りを迎える一方で、デジタル資産をどの当局が監督するのかという制度上の課題はなお残されています。

その一例として、2026年6月にはCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が、無期限先物をスワップ(支払いを交換する金融取引)に当たると主張して、その承認をめぐりCFTCを提訴する方針を示しました。

デジタル資産の規制づくりという点では、米議会で市場構造を定める「CLARITY(クラリティ)法案」の審議が続いており、商品と証券の管轄区分を明確化する議論が進められています。

無期限先物の法的位置付けをめぐる議論と市場構造法案の審議は並行して進められており、管轄区分の整理に向けた調整が続いています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=161.23 円)

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Source:CFTC発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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