2頭の母親が子守りを分担していた?
撮影の舞台となったのは、ネパール西部の河川地帯にある小さな島です。
面積はわずか4平方キロメートルほどですが、ここには地球上でも特に高密度でベンガルトラが暮らしているとされています。
BBCの撮影チームは、ドローンを使って野生のトラたちの行動を追跡していました。
トラは縞模様が1頭ずつ異なるため、チームはその模様を手がかりに個体を見分けていきます。
その中で観察されていたのが、「ゴマ」と呼ばれる母トラです。
ゴマには2頭の子どもがいました。
ところがあるとき、ドローン映像の中で、ゴマのそばに3頭目の子どもが現れます。
続いて4頭目、さらに5頭目も加わりました。
やがて5頭の子どもたちは、赤茶色の毛のかたまりのように寄り添い、ゴマのそばで過ごしていたのです。
しかし、そのうち3頭はゴマの子どもではありませんでした。
別の母トラ、「ジュギニ」の子どもたちだったのです。
実際の映像がこちら。視聴の際は音量にご注意ください。
ジュギニが少し離れた場所で食事をしている間、ゴマは自分の子ども2頭と、ジュギニの子ども3頭をまとめて見守っていました。
まるで、2頭の母親が交代で子育てをしているような光景だったのです。
この映像が専門家を驚かせたのは、トラが本来、非常に単独性の強い動物と考えられているからです。
トラのメス同士は、必要がない限り互いに距離を置くとされます。
子どもを共有したり、子育ての役割を分担したりする行動は、少なくとも一般的なトラのイメージとは大きく異なります。
BBCのシリーズに関わった大型ネコ科動物の専門家ダン・オニール氏も、これは「教科書に書かれていることとは違う」と驚きを示しています。
では、なぜゴマとジュギニはこのような行動をとったのでしょうか。






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